急いで安全な群れの中へ

要領の悪い子もいますから

闇堕ちしようと思ってる

アナと雪の女王」をなぜか公開当時、映画館で見た。

10年前は既にひねくれた高校生だったので、ディズニー作品に対してだいぶ斜に構えていたんだけど、なんか、変な映画で結構面白かったのを今でも覚えている。

 

 

何が変って、いわゆるレリゴーが流れるエルサの覚醒シーンは、
ようは「魔女の闇堕ち」シーンなわけじゃん。物語の筋として。

魔法のコントロールに苦心しつつも、責任感を持って女王を全うしようと頑張っていたお姉ちゃんが、とうとう心が折れて逃げ出して、開き直って暴走し始めて、大変!っていう場面なはずだと思う。

それをすごい、感動的な音楽による、つまり物語の筋に沿ってではなく「エルサの心情」に沿った演出で描いて、その曲がキャッチーすぎてバカ流行りしちゃうっていう、ひねった構造が面白い、というか好みだな、と思った記憶がある。

 

去年「魔法少女」をテーマに絵を描いたのもあり、最近「闇堕ち」のことを考えていて、エルサのことを思い出した。
自分も「責任感の強い長女」ではあるので、共感もあったんだろうな。

エルサは最後ちゃんと国に帰るけど、俺はまだ雪山から帰りたくないなっていうか、まだレリゴーシーンの前段階にいるな、と感じる。

 

「自分は異端であるから、内なる衝動をとにかく内側で殺し切らなければならない」

という強迫観念を手放すために、一度1人で閉じこもって自由にできる期間がほしい。

他人にとって都合のいい人間に成り切ろうとするのをいい加減やめたい。

周りだってそれを求めてるわけじゃない(求めていたとしても俺が望んでないなら従わないべきだ)のに、癖としてやってしまっているのも周りにとって不可解だし失礼でもある。

人と接しながらリアルタイムで強迫性に抗う練習もしばらくやってみたけど、どうしても「押し殺す」以外の感覚が掴めない。トラウマ的妄想のイメージが振り切れない。数日人と会っていると体力的限界を迎える。

 

1人きりの城が欲しい。当分の間閉じこもって好きにやりたい。

そこまでしたら、自分が他人を必要とする感覚だとか、だから素直に接しようという感覚がいずれ湧いてくるんじゃないかと思う。